一番使う万能標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8に不具合が発生
E-M1 Mark IIIのキットレンズとして手に入れたM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROですが、このレンズは35mm換算で24mmから80mmをカバーし、全域で開放F値2.8を維持できる便利さから、私が最も使用するレンズとなりました。
ただ、F2.8といっても、マイクロフォーサーズの小さなセンサーでは、ボケ量はフルサイズのF5.6相当になります。ですので、ボケに関して過度な期待はしない方がいいです。それでも、スナップ撮影ではボケが抑えられる点がむしろ良く、暗いシーンでもシャッター速度やISO感度を稼ぐためにF2.8を気軽に使えるのが非常に便利です。とはいえ、手ブレ補正が非常に強力なマイクロフォーサーズ機なので、結局のところF4やF5.6で撮ることが多いのですが。
そんなお気に入りのレンズに、最近少し気になる点が出てきました。ズーム操作時に、ヘリコイドがスムーズでないことに気づいたのです。
広角から望遠側にズームする際は問題ありませんが、逆に望遠端から広角側に戻すと、25mm付近でトルクが変動して操作が重く感じます。
トルクの変動はあるものの、完全に引っかかるわけではないので使用は可能です。ただ、一度気になりだすと、どうしても気になってしまい、精神的によろしくないので、修理するか新しいレンズに買い替えることを考えるようになりました。
修理か買い替えか
このレンズは中古で購入し、購入直後に不具合が見つかり無償修理となったものの、メーカーでの修理ができず、新しい個体に交換されたものです。ところが、たった1年2ヶ月ほどでヘリコイドのトルク不具合が発生しました。もう少し早く問題が出ていれば保証が効いたのに、今となってはどうしようもありません。OM SYSTEMのホームページで修理費用を確認すると、少なくとも2~3万円はかかりそうです。
一方、マップカメラで中古の同じレンズを購入すれば、2万円ほどの追加で手に入ります。また、3万円ほど追加すれば、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0も選択肢に入ります。ただ、ヘリコイド不良のレンズを通常の下取り価格で引き取ってもらえるかどうかは微妙なところです。とはいえ、買い替えへの気持ちが強くなってきました。
マイクロフォーサーズ標準ズームの選択肢
お気に入りのレンズですから、同じものを再購入するのもいいですが、フルサイズ換算で120mmまでズームできるLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0も魅力的です。
このレンズは広角端12mmでは開放F値が2.8ですが、望遠端の60mmではF4まで暗くなるのがデメリットです。よく使うであろう標準の25mmではF3.5になるようです。
どうしようかと考えている最中、12-40mm F2.8 PROの後継機であるM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIの新品価格が急に1万円以上も下がりました(1週間くらいで元の価格に戻ってしまいました)。
OM SYSTEMは現在キャッシュバックキャンペーンを実施中で、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIを購入すると、1万円分のJCBギフト券がもらえます。これを考慮すると、新品を約75,000円(追い金約35,000円)で手に入れることができます。
旧型M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8とII型の違い
新旧モデルの大きな違いはほとんどありませんが、防塵防滴性能が向上している(IPX1→IP53)ほか、フッ素コーティング、フレア低減も施されています。特にフレア低減は、12-40mm F2.8 PROの弱点だった逆光耐性が向上するため、私にとっては大きな魅力です。
いろいろ考えた結果、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIに更新することに決めました。
旧型と新型を並べてみましたが、外観はほぼ同じですね。違いがあるのはメーカーロゴや裏面の印字程度です。
レンズフードが最も大きな違いかもしれません。ヘアライン加工で光沢があった部分が、通常のプラスチックのような質感になり、個人的には少し安っぽく感じます。また、取り外し時に押すボタンが2つから片側の1つになっています。
私は旧型フードのデザインが気に入っているので、フードは旧型のまま使おうと思います。幸い、マップカメラの下取り価格はフードなしでも減額されませんでした(事前に確認済みです。機種によっては減額される場合もあるようです)。
思った以上にフレアが低減されました
旧型M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8とII型の逆光耐性を比べると、その差は一目瞭然です。試しにスマホのライトを点灯させて、両レンズで撮影してみました。
旧型(写真右側)は、点光源に対してぼんやりと光が広がってしまいますが、II型ではフレアがかなり抑えられており、その結果、光条もしっかり確認できます。これが開放F値のF2.8での撮影です。
旧型のM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8の残念なポイントとして、光条の美しさに欠けるところが挙げられると思いますが、II型ではその点が改善されているようです。これなら、夜景を絞って撮ったときの描写に期待が持てます。
実際に日没直後、両レンズでF11まで絞って撮影してみました。(ただ、撮影中に明るさが変わったため、空の色が異なってしまっています。)
フレアの抑制力は、圧倒的にII型が優れています。光学的に厳しい条件のためゴーストは出ますが、旧型に比べると改善されているように見えます。
しかし、光条の美しさに関しては少し物足りないと感じました。光条が先に行くほど広がる形状は、現代のレンズとしては仕方ないのかもしれませんが、期待が高かった分、少し残念です。
ちなみに、F8での夜間撮影(手持ちでISO640まで上げています)はこんな感じです。絞り羽根が多いためか、光条はうるさい印象になってしまいますが、それでも旧型よりはかなり良くなっています。
12mm, F8, 1/4s, ISO640
興味深いのは、F2.8でもほんのりと光条が出ることです。これなら開放寄りで撮影しても、十分に楽しめるかもしれません。夜間スナップが楽しめますね。
12mm, F2.8, 1/6s, ISO500
結論)買ってよかった
確かに、望遠域の長いLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0も便利そうですが、F2.8通しというこだわりがあるなら、この選択は正解だったと思いますし、購入して本当に良かったと感じています。
もし旧型を持っていてII型にするか迷っている方がいれば、フレア耐性をどれだけ重視するかで判断すると良いかもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II 作例
追記)下取りに出したレンズのその後
旧レンズを下取りに出した際、LUMIX 20mm F1.7 IIと一緒にマップカメラのワンプライス買取で、減額なしでスムーズに引き取ってもらいました。しかし、数日後にマップカメラで再販されていたのを見て驚きました。2本のレンズがどちらも「難有品」として販売されていたのです。
M.ZUIKO 12-40mm F2.8はズームリングのトルク不具合と薄いクモリ、20mm F1.7 IIの方は小さなカビが原因でした。
きちんと管理していたつもりだったので、ちょっとショックでしたね。ただ、思い返してみると、次の日も使うからと、バッグに入れっぱなしにしていたこともありました。これからは、帰宅後にはしっかり手入れをして、防湿庫にすぐ戻すよう心がけます。
こういったリスクに備えて買取価格にはマージンがあるのでしょうが、フジヤカメラと同じくらいの下取価格で、キタムラよりもかなり高く引き取ってもらいました。マップカメラには感謝ですね。
何はともあれ、今回はヤフオクやメルカリで処分しなくて正解でした。もし出品していたら、トラブルが発生していた可能性が高いです。販売店に任せて正しい選択だったと思います。
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